小児・矯正歯科
小児歯科とは
子供の虫歯について「子供の歯だから虫歯になっても大丈夫」、「どうせ歯医者に行っても嫌がるだけだから」とお考えではないでしょうか?大人の歯の治療ももちろん大切ですが子供の歯の治療やむし歯予防にはもっと大切な意味があります。
歯科の治療では『歯はできるだけ削らない、抜かない』ことはとても大切になります。それは、「1度削った歯は決して元通りにはならず、健康な歯よりも虫歯リスクが高くなる」からです。大人の虫歯治療の約半数は、「以前に治療した歯が再び虫歯になった」や「詰めものが外れた」など、治療した歯の不具合です。最初はちょっと削って詰めた歯も、やがて金属の詰めものになり、金冠をかぶせるようになり・・・こうして歯の寿命はどんどん短くなってしまいます。私たちは『子どもの頃の虫歯予防や治療は歯の寿命を大きく左右する』と考え、予防に力を入れて可能な限り虫歯ができない環境づくりを心がけています。
虫歯の発生メカニズム
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虫歯はどのように起こるのでしょうか? 簡単に虫歯の発生メカニズムを説明すると・・・・
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虫歯菌が砂糖から粘着性の物質を作り出して歯の表面にくっつきます。
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さらに砂糖から酸性の物質を作りだして歯の表面にむけて分泌します。
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歯の耐酸性を上回る量の酸が分泌されて歯の表面が溶け始めます。
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歯が溶けてできた穴の中に虫歯菌がくっついてさらに深部を溶かし始めます。
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現在ではどのように虫歯ができるのかということが分かっていますのでもちろんどうすれば虫歯を防ぐことができるかということも分かっているといえます。
当院では虫歯の発生論を根拠とした予防法を提案し、お子様の歯を虫歯から守ることを第一に考えた診療を行っています。
当院では3~4か月ごとに定期検診を行っており、お口の中の虫歯菌の数を少なくするための正しい歯磨き方法の指導、虫歯の発生を抑制するための食習慣指導をはじめ、お子様の歯を強くするためのフッ素塗布や予防処置を行いながら可能な限り虫歯の発生を予防できるようにつとめることでお子様に歯医者に慣れていただくこともできるよう配慮しております。
こどもの矯正について
矯正治療とは単に見た目をよくするということだけではありません。歯並びが悪いことで、将来の虫歯・歯周病・咬合異常などの病気を予防するためにも大変重要な歯科治療の一つです。
顎が小さくて歯が並びきらないお子さんは、口の中の容積も狭いと考えられます。舌が収まるための部屋が狭いので、実は呼吸にも影響してきます。舌が奥に逃げていると、下顎も下がり喉を絞められた状態になり、本来より呼吸がしにくい状態となります。また、無呼吸症候群の原因にもなります。成人の矯正では歯が並びきらない場合、歯を抜いてスペースをつくりそこを利用して並べます。これは、ますますお口の容積を小さくすることとなります。
成長期であるお子さんは、顎骨を広げ成長誘導することができるので、容積も本来の大きさに広げることが可能となります。お口がいつも空いているお子さんは口呼吸の可能性が大きいです。本来、人は鼻呼吸です。鼻のフィルターを通って外気は気道に入ってきます。口呼吸はダイレクトに入ってきますので、病気になりやすいです。口の中も乾きやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなります。鼻呼吸は脳の冷却機能も兼ねています。口が空いている子は、集中力も下がってしまうと言われています。歯並びについては、まだまだ波及する問題点があります。
少しでも「どうなのかな」と思われたら、まずは歯医者さんに診てもらい、相談することをおすすめします。
小児の矯正治療を始めるにあたり
当院では、簡単に歯が移動しやすく、上あご、下あごの成長が止まる前の小児(個人差はありますがおおよそ8~10才)からの矯正治療を勧めています。
乳歯と永久歯がお口の中に混在している子どもの場合は、骨の成長を中心に考えた治療を行い、永久歯が生えそろい身長の伸びが安定した中高生(おおよそ13~15才)、成人になってから永久歯で本格的な歯列矯正治療を開始します。子供のときから矯正治療を開始することにより、歯を抜く可能性を大幅に減らすことができます。
治療のながれ
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STEP01
初診
まず、患者様のご希望や疑問点などをお聞きし、お口の中の状態を検診させていただきます。その後、矯正治療の概略や治療について簡単にお話します。正治療について詳しい話をご希望される方は、お写真・歯型・レントゲンなどを取らせていただき、次回、矯正専門医を交えての相談をします。
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STEP02
無料相談
お取りした資料をもとに、治療方法について説明します。矯正治療のメリット、デメリットをきちんと説明します。わからない点があれば、なんでもお答えいたします。 矯正治療をご希望される方は、精密検査に入っていきます。
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STEP03
精密検査・診断
各種レントゲン、口腔内写真、虫歯・歯周病の検査を行います。
精密検査終了後をその資料を元に、患者様の治療計画をお話します。その上で患者様のご希望をふまえて、治療方法を決定いたします。 -
STEP04
治療開始
決定した治療方法に沿って治療を進めていきます。 治療方法によっては、やむを得ず歯を抜く場合もあります。 あと、矯正治療を行うときは、虫歯や歯周病になりやすいため、歯科衛生士によるブラッシング指導をさせていただきます。汚れの染め出しを行うときもあります。
咬合育成について
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骨格の成長は、周囲の筋肉や習癖などにより影響を受けます。そこで、バランスの良い筋肉をつけたり、悪い習癖を無くすことが必要不可欠です。筋機能訓練を行うことにより、それらの影響を減らすことができます。矯正治療後の後戻りも予防できます。
また骨格を成長誘導させるためにマウスピースを併用した治療を行うこともあります。小児の歯並びを口周りの筋肉を改善することによって整えます。1つ1つの歯に固定式の矯正装置をつけてワイヤーで歯を並べる矯正とは違い、痛みが少なくお子様への負担がより少ないのが特徴です。お子様に少しでも「コンプレックスを抱えることなく健康的な人生を送って欲しい」とお考えであれば、早めにご検討ください。まずは歯科医院にて口の検査を受けられることをおすすめします。