インプラント治療
インプラント治療とは
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「インプラント」とは、人工歯根のことです。
歯を失ってしまった部分に人工の歯根を埋め込んで、その上に人工物を装着することで、天然の歯と変わらない仕上がりと、機能の回復を目的とする治療法です。
インプラント治療を受ける前に知っておきたいこと
健康な歯を傷つけない
残った歯を削ってブリッジにする必要がなく、違和感が少ないため、入れ歯やブリッジよりも快適に過ごせるというメリットがあります。現在、日本の医療制度では虫歯や歯周病、事故などで歯を失ってしまった場合、入れ歯・ブリッジなどの治療法しか選択肢がありません。しかし、これらの治療には常に、痛い、噛めないなどの問題が付いてまわっていました。インプラント治療は、そうした入れ歯・ブリッジの問題を解決することが可能です。
違和感なく噛める
インプラントが顎の骨にしっかりと固定できることから、堅いものを食べる場合にも、まるで自分の歯のように違和感なく噛めることです。入れ歯の場合堅いものを噛むこと自体諦めてしまわれる方も多いので大きなメリットともいえます。
手術が必要
インプラントが他の入れ歯やブリッジと決定的に異なるのは、外科手術になるという点です。人工歯根を顎の骨に埋め込むという工程が必要になるので、部分麻酔を使って手術を行います。手術中は麻酔の効果で痛みを感じることはほとんどありませんが、手術後強い痛みや腫れ、内出血を伴うこともあります。
体質に合わない場合がある
インプラント手術は顎の骨の中に人工歯根を埋め込んでから、しばらく経過観察します。時間の経過とともに骨とインプラントが癒合することで土台が定着します。しかし人によって稀ではありますが、骨とインプラントの癒合が進まずにぐらぐら動いてしまうことがあります。
骨が弱い方にはインプラントが出来ない事もある
インプラント治療は全ての人が行えるというわけではありません。特に重度の糖尿病や骨粗しょう症の方は治療できない可能性があります。骨が元々もろいためインプラントに骨が付かない、治療をしても手術をした箇所の治癒がなかなか進まないといったことも起こりえます。
子供や妊婦は治療できない
インプラント治療は、小さな子供に対して行うことができません。特に成長期前後の子供は、顎の骨の厚みや形状がどんどん変化していく可能性が高いためです。顎の骨の変化が進むことで、正常な歯からインプラントがずれる、他のインプラントがあたるといった問題が起こることが考えられます。
18~20歳前後になると骨の成長が止まるため、そこからインプラント治療を受けましょう。同じく、妊婦もインプラント治療は受けることができません。
保険適応外
インプラントは入れ歯やブリッジと違って、保険が適用されません。治療費は全額自己負担になります。
治療期間が長くかかる
インプラント治療では人工歯根を埋め込みますが、それが顎の骨の中で結合しないと次のステップには進めません。またそれぞれの顎の骨の厚みや形状に合わせて手術をする必要があります。このため、CTスキャンなどを使い顎の骨の形状を確認する、噛み合わせのチェックにも時間がかかります。インプラントが骨に定着して、人工の歯を付ける段階に至るまで約3か月以上かかります。
定期的なメンテナンスが必要
インプラントの手術が完了すれば、それで終わりというわけにはいきません。インプラントを長い期間使い続けるためには、日ごろからのメンテナンスが必要です。歯ブラシを使ったブラッシングだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども使い丁寧に口の中をきれいにしておくことが必要です。それに加えて数か月に1度くらいのペースで、歯科医院での口腔内メンテナンスを受けることも重要です。手入れを怠ってしまうとインプラント歯周炎にかかり、せっかく入れた人工歯根が取れてしまうこともありますので注意しましょう。
治療の流れ
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STEP01
診断と治療計画
レントゲンなどにより十分な診断の後、 インプラント治療計画をご説明致します。ご質問にその都度ご納得いただけるまで、お答えいたします。虫歯、歯周病などの治療を優先して行うこともあります。また口腔内環境を改善しご自身でのセルフケアがある程度できるように指導させていただきます。
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STEP02
手術(インプラント埋入)
まず局所麻酔を行い、インプラントを顎の中に埋め込みます。手術は1回法と2回法があります。
骨の高さや厚さが不足している場合は、骨再生法(GBR)や増骨法(ソケットリフトなど)を用いる場合があります。 -
STEP03
インプラントと骨の結合を待つ
インプラントと骨がしっかりと結合するまで、数か月待ちます。この期間、一般的にはインプラントの上に仮歯を入れておきます。骨の状態など、様々な条件により期間は異なります。
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STEP04
人工歯の装着
型をとり、人工歯を専門の技工士が製作します。インプラントと顎の骨の状況を確認し、製作した人工歯(歯冠)を装着します。素材により、天然歯と同様の審美性を得る事が出来ます。
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STEP05
定期健診
詳しいケアの方法などご説明いたします。インプラントを長期に渡って安定して使用するには、治療終了後のホームケアが重要です。正しい歯磨きと3ヶ月から半年に一度の定期診断を受けましょう。