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保険の前装冠からセラミックへ
中切歯2本の審美不良のでのご来院。元の歯は保険のレジン前装冠です。サイズが大きく前突感があるとの事でした。
製作はできるだけ小さく下の歯の前方滑走(噛みあわせの機能的限界)の許す限り短めに製作いたしました。
今回オールセラミックのステインタイプ(表面加色)とゆうセラミック修復でも比較的エントリータイプのセラミックのご指示でしたので見た目の明るさや、色調にある程度の制約があり、仕上がりに多少不安を抱えながらでの作業となりました。
1番の不安要素は歯の土台の色の構成。左側が金属で右側が着色歯とゆう内側からの色の妨害があり、かなり製作する上で無視できない問題となりました。 このケースでは一般的にステインタイプでは対応出来ず、内面に不透明なセラミックのキャップをフレームとして制作し、表面にポーセレンを盛り付けるビルドアップタイプで製作するのが一般的です。
しかし今回はエントリーのステインタイプのご指示でしたのである程度の色調差異を了承していただいた上で製作しました。
ステインタイプオールセラミックスの構造的特性で天然歯に近い明るさを再現するために透過性の高いセラミックを使うのですが、透過性を高めると下地の金属色が抜けてグレーがかってしまい歯が黒い(暗い)ような印象になります。今回のケースでは周りの歯の状況から見て白さをを保ちつつ透明感もある程度だす必要ようがありましたので、土台が金属の時にはあまり使わない半透明系のセラミックを使い、隣の歯に近い明るさに近づけてみました。
土台との接着剤に不透明な物を選択し、ある程度下地の色が遮蔽できたことでなんとか暗くなり過ぎず、色浮きを抑えれた結果となったのではないかと思います。
結果的には患者さんには満足していただけだので安心しました。
今回のような土台が金属で被せがオールセラミックステイン でのオーダーの場合には歯質のの削除量がある一定量あり、なおかつ周りの歯の色調が一般的な場合に限られますので全てのケースにこのような結果がでるわけではありません。歯科医師とのご相談の上、納得のいく治療内容をご選択下さい。