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歯列不正を被せて治す。

製作スタッフの乾です。
今回はラミネートベニアのケースを紹介します。
主訴は歯列不正と歯間の隙間です。
矯正治療とは違い歯牙は削りますが治療の結果は早く得られます。
時間はかかりますが矯正治療も自分の歯をあまり削ることなくキレイに並べることができるのでどちらもいいところがありますね。

今回かなり隙間があり確認のためシミュレーションで形態の再現を行いました。製作本数が2本では大きく3本ではそれぞれ細すぎるので大きめの2本で作ることにしました。作り手としてはかなり悩ましい症例ですね〜。もっと隙間が無ければ、、もっと真っ直ぐに並んでいれば…もっとかっこよく作れるのにな、、と思うんですが、そもそもキレイに並んでたらわざわざ治すこともないよねってことですよね😑
材料はラミネートベニアなのでオールセラミックとなります。作り方は…歯型を採って、石膏を流し、製作する模型をつくります。その模型上でゼロからワックスアップ(蝋をデザインナイフ等を使って歯の形を再現)をして形態を再現し、壊れないようにワックスを抜き取り液状の専用耐火材で埋没します。1時間程度硬化を待ち850℃の焼却炉で1時間程炉内でワックスを焼却し、専用のセラミックス形成用のプレス機にて30分かけて圧入します。圧入後900℃ほどあるので1時間位自然放冷します。触れる程度まで温度が下がればサンドブラスターにてセラミックが割れないよう慎重に取り出します。セラミックの扱いはかなり慎重にしないと薄いところがヒビ割れや、かけてしまうことがあります。(口腔内に接着剤で装着してしまえばその後割れたりなどそういった事はほとんどありませんが、、。)ワックスアップをした模型に正確に戻るように内面を微調整し、形を💎ダイヤモンドバーにて整えて細かい形態を付与します。形態が決まれば専用の着色材で口腔内の写真を見ながら色調を再現します👨🏻‍🎨パソコンのディスプレイのスペックによって画面の色が違うように、実際の口腔内の色と、パソコンの色が違うため画面内のシェードガイドとを見比べながら感覚で合わせていきますが、感覚のため口腔内に装着してみて初めて答え合わせが出来ます。オールセラミックは半透明なので台になる歯の色も計算に入れながらなので、色が合ってない事もあります。こう書くとむしろ合っていることが奇跡に感じますね。合ってない時はもう一度色を塗り直す事もありますし、セラミックの素材からやり直す事(1からやり直し)もあります。ここをできるだけ1発で合わせる事が出来るよう日々技術と経験を磨いております🏋🏻‍♀️
今回のケースは写真で見ていただいてるように周りとほぼ同調した色調の仕上がりとなりました。患者さんに確認したところ、「どこを治したか分からないです、、」とゆう事でしたので本件は完了となりました。
セラミックはこのように実は綱渡りのような製作手順で作られております、もし色が違う時があっても「ま、一回はしゃーないか!」と、おおらかな心持ちで再製作をお待ち下さいませ。

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