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あなたの口臭大丈夫ですか?

皆さんは、自分の口臭を普段から気にしていますか?
コロナ禍でのマスク生活の影響で自分の口臭が気になりだした人も多いようです。

歯科疾患実態調査(厚生労働省、2016年)では、口の状態で気になるところでは「歯の痛み」、「歯ぐきの痛み」が多く、次いで多かったのが、意外にも「口臭」でした。またOLを対象に「上司の身だしなみで最も気になる事」を調べたところ、9割以上が口臭・体臭を一番にあげたとのことです(ヤンセンファーマ社調査、2006年)。

このことからも周囲の人たちを不快にしないためにも、口臭はできるだけ予防していきたいものですね。

歯磨き

口臭の原因

では口臭の原因は何なのでしょうか。
口臭は、生理的口臭と病的口臭に大きく分けられます。

生理的口臭とは

生理的口臭には一般的なもの(加齢・起床時・空腹時・緊張時・疲労時など)、ホルモンに起因するもの(妊娠時・月経時・思春期・更年期など)、嗜好物・飲食物・薬物によるもの(ニンニク・アルコール・喫煙・薬物など)があげられます。

病的口臭とは

病的口臭には口腔領域の疾患(歯周病・口腔粘膜の舌苔・悪性腫瘍など)、耳鼻咽頭領域に疾患(副鼻腔炎・咽頭・喉頭の炎症・悪性腫瘍など)、内科疾患(糖尿病・肝疾患・腎疾患など)があげられますが、殆どの原因が口の中にあることが分かっています。

他にも

その他に自分自身で臭いがあると思い込む心理的口臭というのもあります。これは口臭症(疾病)といわれるものに分類されており、そのひとが実際に原因となる臭気があるかないかに拘らず、気になり悩んでいる状態を指していて、単に口腔内の治療を受けるだけでなく、メンタルサポートも必要なようです。

口臭の定義

口臭について整理しますと、「口臭とは本人あるいは第三者が不快と感じる呼気の総称である」、「口臭症とは生理的・身体的・精神的な原因により口臭に対して不安を感じる症状である」と日本口臭学会は定義しています。

口臭の定義

では口臭自体が異常なものなのかというと、そうではありません。口臭は特別なものではなく、誰にでも少なからずあるものです。

口臭の原因について

前述の生理的口臭は口腔内には原因となる病気はなく、空腹時や緊張時、生活のリズムや習慣によっておこるものです。特に起床直後の口臭は強まります。

これはお口の唾液分泌量が減少して、口内細菌が増殖し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)が増加することからおこります。これは口の中にいる嫌気性菌という菌が、食べかす(タンパク質・アミノ酸)などを分解してできるもので、口臭の主な原因物質と言われています。

前述の病的口臭に含まれる歯周病や口腔粘膜の舌苔にも、この揮発性硫黄化合物が大きく関係しています。

口臭対策

私たちは生きている限り口臭をゼロにすることはできません。したがって毎日の生活で、口臭が強くなりやすい時間帯を意識して、他人を不快にさせる強い口臭を出さなければよいわけです。

1:朝食はしっかり食べましょう

多くの人は起床直後、唾液分泌量が低下して、最も口臭が強くなる時間帯ですので、朝食はしっかり食べましょう。しっかり噛んで咀嚼することにより、唾液分泌量も増加します。

2:食後に歯+舌も磨きましょう

もちろん、食後はしっかり歯を磨きましょう。
ここで最も大事なことは舌も忘れず磨くことです。
前述した揮発性硫黄化合物(VSC)は舌の上で最も多く作られます。これは舌の上に白い苔状のものが付着しており、これを舌苔といいます。舌苔のつき方や量には個人差があり、また時間帯や体調によっても変動しますが、このメカニズムはまだよくわかっていないようです。舌磨きは毛先の柔らかい歯ブラシや専用の舌ブラシを使うとより効果的です。

舌磨きのやり方

3:うがい+食間にガムを噛む

その他にうがい薬、特に塩化亜鉛入り洗口液は効果が高いともいわれています。食後に口臭は減りますが、時間とともにまた口臭が強くなりますので、食間にはチューイングガムを噛むのも効果的です。

4:それでも改善されない場合は歯科医院へ相談

生理的口臭のような日内変動や体調の変化に関わらず、適切な口腔清掃をしても常に強い口臭を放つ場合は、それ以外が原因の病的口臭の可能性も考えられますので、一度歯科医院を受診されることをおすすめします。

まとめ

感染症対策としてマスク生活が長引く昨今、コロナ前よりも口や鼻、頬周りの見えない部分のお手入れや、口臭ケアを怠りがちになっていませんか?これを機にマスク内の臭いが気になっている方は是非、口腔ケアを実践していただき、歯科健診を定期的に受けられてはいかがでしょうか。

吹田市歯科医師会
あさの歯科 副院長
浅野 晃久

 

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